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ハンバーガー憑き神 てりやき

部活で汗を流した後は小腹が空くものだ、そんな時にファーストフードは嬉しい。
例えばそう、ハンバーガーなんかは最適だ。

小麦色に焼けた肌、しっとりとかいた汗、むっちりと肉の詰まった太腿。
短く刈り込んだ髪の下からのぞく両目は、いっぱいの元気に溢れている。
陸上部に所属する彼女もまた、その日の練習を終え、小腹を空かせて帰るところだ。

「コンビニでもよろうかな」

そんな彼女が見つけたのは一件のハンバーガー屋。
つまみながら帰るには丁度よい代物だ。

「そうだ、照り焼きにしよう」

彼女はそうひらめいて、店の中に入ったのだった。



店の中は客はおらず、ショーケースにはたくさんの美味しそうなハンバーガーが並べられている。
しかしその中にお目当てのテリヤキバーガーはなく。

「すいません、てりやきないですか?」

カウンターの奥に向かって声を上げた彼女は、そこで変なモノを見つけた。
それは、人一人ほどの大きさはあるハンバーガーで。

「ツクルヨー」

彼女の声に答えるように、その中から人が現れたのだった。
あっと驚く間もなく、そこから伸びてきた手に掴まれた彼女はハンバーガーの中へ引きずり込まれてしまった。
そして彼女を抱きしめると、いきなりその唇を奪う。
とろりと流し込まれたのは、唾液ではなく甘辛い照り焼きのタレ。

(うっぷ、これ。照り焼きの……)

突然のことにぼんやりとしながら、彼女は体の中が照り焼きのタレで満ちていくのを感じた。
たっぷりとそれを流し込まれた彼女を離すと、今度はその体に照り焼きよだれを垂らし始める。
全身余すことなくタレでコーティングすると、それをなじませるように全身をヤワヤワともみ始めた。

(あふぁ、蕩けちゃう……)

それは彼女に、身も心もとろけるような快感を与え。
そしてその体もいつしか溶けるように形を変えいってしまった。
そして出来上がったのは薄くてタレのしっかりと絡んだ照り焼きパティ。
それをじっくりと焼き上げたハンバーガー憑き神は美味しいバンズで挟んでテリヤキバーガーを作り上げると、そのままショーケースに並べてしまうのだった。

蕩ける快楽の中で、彼女は食べられる時を待ち続ける。

ハンバーガー憑き神のお店

ファーストフードの代表格ハンバーガー。
大人も子供もみんな大好きなそのハンバーガー屋に、恐るべし憑き神が顕れてしまったのだ。
誰もその驚異に気づいていない。

「月子、今日は何頼むの?」

「んー、せっかくだし。月見かなー」

「あー、そんな季節か。私もそうしようっと」

OL二人がそんなことを言いながらハンバーガー屋に入っていく。
昼時にもかかわらず、珍しいことに客が誰もいない。
これはラッキーと思った二人は、すぐさまカウンターに向かう。
と、そこに変なモノがあった。
店員はおらず、代わりに巨大なハンバーガーが置かれていたのだ。
疑問符を浮かべる二人の前で、ハンバーガーが勢い良く開いた。

「イラッシャイ、オイシイハンバーガーダヨ!!」

そこに居たのはハンバーガーを擬人化したような謎の生き物、そうハンバーガー憑き神、で。
二人が驚く間もなくそれはケチャップの香りのする手を伸ばして月子を絡めとってしまった。
そのまますごい力で彼女を抱きしめたハンバーガー憑き神は、上下のバンズを閉ざしてハンバーガーの形になってしまった。
その中に取り込まれて閉まった月子は上下のバンズに力強く押しつぶされてその形を薄く伸ばすように変えていく、その形はまさにハンバーガーに挟まれているパティそのものだ。
そうかと思うと、今度はその中がどんどん暑くなり始めて月子パティを丁寧に焼きあげていく。

(ふわぁぁ、私。ハンバーグになっちゃってる)

彼女はわかっていた。
自分が何かに変わってしまっているということに。
そしてそれは恐ろしいほどに心地良く、彼女はその快楽にとろけてしまうのだった。
次にハンバーガー憑き神が開いて人の形をとったとき、その手にはひとつの美味しそうなハンバーガーが握られていた。
彼女はそれをショーテーブルに並べると、月子バーガーと名札をつける。
それを見たOLは思い出したように手を叩いて。

「そうそう、お昼ごはん買いに来たんだった。やっぱり秋だから月子バーガー一つお願いします!!」

出来上がったばかりの月子バーガーを頼んで嬉しそうに頬張った。

「うん、オイシイ。さすが月子!!」

喜んで月子バーガーを平らげた彼女を、憑き神はにこやかに引き寄せた。

「次ハアナタヨ」

そして、上下のバンズは閉じられる。



そこは人気のハンバーガー店。
美味しそうなたくさんのバーガーが並ぶ店。

龍虎探偵1

龍美と虎子、シティでは少しばかり名の売れた探偵だ。
暫く前にあった麻薬密売組織壊滅の影の立役者として、その筋では名前が通っているのだ。
あまり一般的に知れているわけではないが、それでも力量のある探偵としてはそれなりの知名度を持っていた。
しかし、そんな二人の裏の顔を知るものは少ない。
裏なのだから当たり前ではあるが。

「ドラゴン、やるわよ!!」

「任せて、タイガー!!」

青と白、二つの色が風となって駆け抜ける。
獰猛な突風のように牙を向くその風は、そこに集まっていた人外の者共を蹴散らした。
俗に戦闘員と呼ばれる、個性のない奇妙な集団。
数十人はいたそれらを、2つの風は一気に吹き飛ばしたのだ。
すべてをなぎ払った風は動きを止めて、たったひとつ残った者に向き直る。

「そ、そんな。薬物強化戦闘員が一瞬で!?」

狼狽するその男。
いや、声からして男ではあるのだろうが、試験管やフラスコ、注射器などの医療器具や実験器具で創り上げられた体を持つ怪人、ドクターメディマッドに2つの風は指を突きつけた。

「禁じられた薬物を用いて人体実験を繰り返していた犯人、ドクターメディマッド!!」

「貴様の悪行は全て暴いた。死をもって、己の悪行を償え!!」

そして2つは混ざり合うように一つの光となって、ドクターメディマッドの体を貫いたのだった。
体を貫かれた怪人は、がくりと膝をつき、声を上げた。

「狂畜党に、栄光あれぇぇぇぇ!!」

その断末魔の声と共に、大きな音を伴って爆発。
怪人は欠片も残さずにきえてしまった。
その爆発を背に、二人は勝利のポーズをとる。
彼女たちこそシティに跋扈する悪を駆逐する正義のヒーローたちの一員。
パンチドラゴンと、キックタイガー。
そしてそれが、龍美と虎子の裏の顔の名前でもあった。
探偵業の傍ら裏世界で暗躍する悪をくじく正義の使者でもあったのだ。



「あの、お帰りなさい」

変身を解いて探偵事務所へ戻った二人を迎えたのは、そんな可愛らしい声だ。
まだ少年と言っても過言ではない幼さを残した容貌の可愛らしい子供が一人、事務所で待っていたのだ。

「うんうん、大丈夫大丈夫、こーた君こそお留守番大丈夫だった?」

少年を抱きしめながら、金髪の女性はそう答える。
その豊満な胸元に押し付けられた少年は、顔を真赤にして目を丸くしていた。
どこか容器で妖艶な雰囲気を漂わせる彼女こそ、西園寺・エイラ・龍美、正義の使者パンチドラゴンにしてこの探偵事務所の片割れ。

「やめなさい龍美。馬鹿が伝染るわ。こうた君はあんたと違ってお留守番くらいしっかりとやってのけるわよ」

その腕からひったくるように少年を奪い取った見惚れるほど艶やかな黒髪をした女性が、一条寺虎子、つまりはキックタイガーだ。
皮肉気味に奪い取った彼女も、やることは龍美と変わらず薄い胸で抱きしめることである。
少年は結局、あいも変わらず顔を真赤にしておろおろするしかないのだった。

「でも、ごめんねこうた君。今日も、あなたのお母さんを見つけることは出来なかったわ」

そんな幼く可愛らしい少年こそ、彼女たちの今の依頼人、つまりは雇い主だ。
彼の願い、悪の秘密結社狂畜党にさらわれた母親を見つけ出すために、彼女たちはシティにはびこる悪の組織の一つである狂畜党と日夜戦っているのだ。
未だ助けられてはいないが、二人はこれまでの調査、戦いで確かな手応えを感じていた。

「次は、もっと深く踏み込んでみるつもり。私たちは大丈夫だから、安心して待っていてね」

二人のその言葉に、こうたは小さく頷いたのだった。



「今日もまたやられたそうじゃないか」

暗いどこかで声が響く。
赤い小さな点がいくつも点滅しているが、その暗さは人には何も教えようとしない。

「もとよりマッドネス怪人では戦って奴らに勝てぬことなどわかりきっていることだろう」

「ふん、怪人をいったい失っておいて偉そうなことを。何か策があるのか?」

「でなければこのようなところまで奴らに入られるものかよ」

「ふぅん、自信ありげだ」

「当たり前だ。既に情報は掴ませてあるし、奴らの情報も掴んでいる。次こそは必ず、タイガーアンドドラゴンを我が手におさめてくれる」

「そうかい。まあ結局、私としても面白ければなんだっていいのだけどね」

外伝 VSディアクリスタル やっつけ

「待ちなさい、あなたたちの悪行見過ごすわけには行きません!!クリスタルの輝きの前に、成敗してくれる!!」

「あれ、お姉ちゃんこんな人呼んだ?」

「いや、呼んだ記憶ないなぁ」

「うーん、退魔師ってかんじじゃないけど、すごくやる気満々さね。どうする?」

「なんか面倒くさそうだしなぁ。あんまり相手したくないなぁ」

「ふっふっふ、都市伝説。終わらない夏祭りの真犯人達め、私のクリスタルパワーの輝きの前にグウの音も出ないようね」

「だってさ」

「うーん、どうしよう。お腹空いたしなー」

「あー、そういえばもうそんな時間か。ご飯?おやつ?」

「おやつー、甘いのがいいなぁ」

「そうか、それじゃ。飴屋憑神!!」

格好良くポーズを決めるディアクリスタルの背後に飴屋憑神が現れた。
そして。

「は、背後をとられた!?」

驚くディアクリスタルを水飴でさっとコーティングしてしまう。
そのまま喋れなくなった彼女をねりねりと練りあげて、クリスタル色の飴玉をたくさん作り上げてしまった。

「ドウゾ」

差し出された飴玉を、彼女たちは頬張って。

「うーん、おいしい。なんか希望が湧いてくる感じ」

その美味しさに頬をほころばせるのだった。



インスタントな感じに5分で

マット憑き神の仕業だ!!

この学校の体操部のエースといえば、はいったばかりの一年生だって知っている有名人だ。
文武両道容姿端麗その上家まで金持ちという、絵に書いたような完璧超人。
性格も優しいというのだから、まったくもって非の打ち所が無い。
西島茜の名は、それくらい有名だった。

短い髪に汗を散らせて、その日も茜は練習に励んでいた。
エースでいる秘訣は誰よりも練習すること。
彼女はそう信じ、それを実践している。
日がくれて、学校からほとんど人がいなくなる時まで彼女はずっと練習を続けるのだ。
しかし、彼女のために体育館を占めないというのも迷惑だ。
だから彼女は人知れず、一人で練習できるところを見つけていた。
学校から少し離れたところにある、第二体育館。
普段使われることのない古びたそこは、練習にはもってこいだったのだ。

激しく動き、じっとりと汗をかく。
疲れを感じてマットに倒れこめば、仄かな冷たさが心地いい。

「よし、もうひと頑張り!!」

もう少しだけ練習しようと飛び起きた彼女の背後から、声が聞こえた。

「ガンバルネ」

驚いて振り返り、そこに居た姿に再び驚く。

そこに居たのは、なんと言っていいのだろうか。
顔の生えたマット、とでも言えばいいのだろうか。
いままで彼女が練習に使っていたマットが起き上がり、こちらを見ていたのだ。

「え、なに!?」

驚く彼女に、マットは微笑みかける。

「私モ、マット遊ビシタイナァ」

これは一体何の冗談かとはてなマークを浮かべる彼女の前で、マットはくるりと己の身を丸めた。
太い円柱のような形になったマットは、そのまま彼女に向かってゴロゴロと転がってくる。

「転ガルのは、得意ダヨ」

あっという間もない出来事、虚を突かれて動く、逃げるということすら頭に浮かばなかった彼女は何も出来ないまま丸まったマットにひかれてしまった。
すると、なんとも不思議なことに、彼女の体がのし棒で伸ばされるようにピローンと平らになってしまったのだ。

「え、なんで私。平になってるの!?」

驚き、声を上げるがどうしようもない。
彼女の体は、一切動かないのだ。

「アハハー、コロコロー」

通り過ぎたマットは再び反対に転がって戻ってきた。
何度も何度も彼女の上を転がって往復する。
そのたびに彼女の体は薄く伸ばされていき、気づけばマットと同じ大きさ厚さにまでなってしまっていた。

(私、マットになっちゃったの?)

考えることはまだできた、けれどもう何も語ることはできない。
なぜなら彼女はマットになってしまったからだ。

「フゥ、楽シカッタ」

ひと通り転がったマットは、満足したような声を上げた。

(戻れる!?)

と期待したのだが。

「オ片ヅケオ片ヅケ」

そんなことはなく、マットの手によって彼女の体は綺麗に折りたたまれてしまう。
そして、そのまま体育倉庫に放り込まれてしまったのだ。

(ああ、誰か助けて・・・)

薄れ行く意識の中、彼女は助けを求めていた。



次の日、体育の授業があった。
今日のメニューはマット体操だ。
生徒たちはその準備に、ブツクサと言いながら体育倉庫からマットを取り出して並べる。
その中に、一際カラフルなマットがあった。
肌色や黒、更には体操のレオタードのような模様まで付いている。
そんな異様なマットに、誰も違和感を抱かず。
今日もめんどくさそうにその上で汗を流すのだった。

誰にも聞こえない、想像すらしない。
マットが、悲鳴を上げているだなんて。

(止めて、私人間だよ。転がらないで、汗を染み込ませないで!!)

マットになっても尚、西島茜は己の意思を保っていた。
己は人間であると感じていた。
だというのに、誰も気づかない。
彼女の上で飛んだりはねたり、時には寝そべって休憩したりしているのだ。
けれど彼女の中には、それを愛おしく思う意識も生まれ始めていた。
その日の授業は終わり、彼女は他のマット共にたたまれて体育倉庫にいれられた。
それから毎日のように彼女は誰かに転がられる日々を送ることになったのだ。

(ケガシナイヨウニネ、アブナイヨ)

そしていつの間にか彼女は、マットになっていた。
こころ、その精神までも。
自らの上で遊ぶ者たちを愛おしく思い、その安全を願う。
少し前からは想像も出来なかったことだ。
染み込む汗すらも、愛おしい。
それから、いくらの時がたっただろうか。
彼女はひとつの思いに支配され始めていた。

(私モ、遊ビタイ)

マットで転がって遊びたい。
そう、かつてのように。
かつてであった、あのマット憑き神の様に……
おそらくその日はやがて、来るのだろう。
そう、遠くない内に。




というわけで縁日事変以外の憑き神です。

リンク報告

姉さん事件です!!

なんと、新たに二つの世界への旅の扉が開きました。
つまりはリンクということですね。


まずは、舞方雅人様の運営する「舞方雅人の趣味の世界」
悪堕ちSS界の老舗にして大御所、お客様の中には訪れたことのある方も多いのではないでしょうか。
毎日更新が行われており悪堕ちだけでなく様々な方面の情報を取り扱っておられます。
SSも逸品揃い、まだ行っておられない方は是非是非。

そして、月犬様の運営する「月犬のひとりごと」
pixivで活動しておられて、最近ブログを開設なさった方です。
私のおすすめは守護戦士エンジェリオンのシリーズ。
女怪人、みんな大好きですよね?私も大好きです
こちらも是非是非、訪れてみてください。

それではお二方、コンゴトモヨロシクお願いいたします。
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Author:ヤドカリ
基本的に要らんことをつらつらと書いてます
エロとか変脳とか悪堕ちとか

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