状態変化はじめました
「ディアクリスタルさんですか?」
今日も街の平和を守るためさっそうとパトロールしていたディアクリスタル。
そんな彼女を呼び止めたのは、OLのような格好をした女性だ。
「そうだけど、何者?」
言いながらクリスタルは相手を見抜く必殺のクリスタルアイで相手を見る。
何やら妙な気配を感じはするのだが、どうにも怪人ではないようだ。
怪人でないことに警戒をクリスタルに、女は懐から名刺を取り出して渡してきた。
「えーっと、超時空株式会社TF加工の加工担当員、スウェン・シーアさん?」
聞いたことない会社だし、日本人離れした名前だ。
胡散臭げな視線を向けるが、シーアの方は全く意にかえしたような様子もなくニコニコとした表情でクリスタルの体を撫で回すように上から下へとみると。
「うん、問題なさそうですね」
といって、頷きかばんからカメラを取り出してクリスタルに向けた。
「ちょっとちょっと、いきなりカメラを向けないでもらえる?」
突然のことに驚きながら、クリスタルはレンズを遮った。
「なんなのよ、なんの説明もなしに」
クリスタルの言葉に、ああ、とシーアは手を打って。
「これはうっかり、お伝えするのを忘れていました。実は当方、まあ何でも作る店をやっているのですが。とある、戦うヒロイン大好きなお客様から依頼がありまして。あらゆるヒロインのポスターがほしいと。そしてお客様から頂いたリストの中にディアクリスタルさんの名前もありましたから」
「だから、写真に取るっていうの?うへぇ、なんていうかすっごいキモいんだけどそれ」
ものすごく嫌そうな顔をするクリスタルに、シーアは頭を下げた。
「こっちも給料かかってるんです。どうか、お願いします」
頼まれるとノートは言えない流され系ヒロインディアクリスタルのことである、シーアのお願い攻撃にあっという間に流されてしまい。
「仕方ないわね、一枚だけよ」
了承してしまったのだった。
「よかった、それでは撮りますよ。ポーズとってください」
構えられたカメラの前で、クリスタルは決めポーズを撮った。
「はーい、それではこれからの仕事もがんばってくださいね」
まだ撮り終わってもいないのに何を。
満面の笑みでポーズを取りながらそんなことを思った彼女の思考はフラッシュの光に溶けて消えていったのだった。
まばゆいフラッシュが晴れると、その場に居たはずのディアクリスタルはいなくなっていた。
ただ、彼女が立っていた場所に一枚の大きめな紙が転がっているだけだ。
「どれどれ」
シーアはそれを拾い上げて、広げてみた。
そのかみに写っていたのは、満面の笑みでポーズをとるクリスタルの姿だ。
(え、なにこれ。わたし、もしかしてポスターになった?)
シーアの頭の中に直接クリスタルの声が響いてくる。
「そうですよー、ちなみにそうやってしゃべれるのもあと少しの間だけです」
お座なりな返事を返しながら、シーアはくまなくポスターを眺める。
(ふざけないで!!今すぐここから出しなさい。私がいなくなるとこの世界は!!)
クリスタルの言葉を遮るように、シーアが言った。
「変わりません。何も変わりません。これからもあなたはいなかったものとしてこの世界は続いていくだけです」
(なぁっ!?)
冷ややかな言葉、その言葉にクリスタルは一瞬驚いたような表情をして。
(ふざけるなぁぁぁぁ!!)
叫んだ。
いきなりこんな事をしておいて、何が何も変わらないだ!!
悪虐非道な組織がはびこるこの世界で戦うヒロインが一人かけたら一体どうなることか。
よく負けるけど、けれどクリスタルにだって守りたいものはたくさんあるのだ。
彼女の怒りと願いを受けて、ポスターの中で胸のクリスタルが輝く。
(ホープクリスタル!!私の願いを)
「んー、おっぱいが小さく写ってしまいましたね。あとで盛っておきます」
問題点を見つけてしまって面倒になった、そういいたげな声色でシーアはそう言ってのけるとポスターをくるくると丸めだした。
それからポツリと。
「そうそう、えらく勇んでいましたが時間切れです」
まかれていくポスターに映るクリスタルからは、輝きを見ることが出来なかった。
くるくると無慈悲に巻かれたポスターを戻らないように留めるとかばんから取り出した筒に慎重に入れて、それをかばんに戻すのだった。
「ふー、終わった終わった。えーと、次は……アースガードか」
軽い鞄を持ち上げて、彼女は懐から取り出したリストに目をおとす。
そして気だるげに首を鳴らし、そこから姿を消したのだった。
状態変化に悶えたので初めて見ることにしました
物品化とか食品化とか、次からはいちおう別のカテゴリでやることにします。
今日も街の平和を守るためさっそうとパトロールしていたディアクリスタル。
そんな彼女を呼び止めたのは、OLのような格好をした女性だ。
「そうだけど、何者?」
言いながらクリスタルは相手を見抜く必殺のクリスタルアイで相手を見る。
何やら妙な気配を感じはするのだが、どうにも怪人ではないようだ。
怪人でないことに警戒をクリスタルに、女は懐から名刺を取り出して渡してきた。
「えーっと、超時空株式会社TF加工の加工担当員、スウェン・シーアさん?」
聞いたことない会社だし、日本人離れした名前だ。
胡散臭げな視線を向けるが、シーアの方は全く意にかえしたような様子もなくニコニコとした表情でクリスタルの体を撫で回すように上から下へとみると。
「うん、問題なさそうですね」
といって、頷きかばんからカメラを取り出してクリスタルに向けた。
「ちょっとちょっと、いきなりカメラを向けないでもらえる?」
突然のことに驚きながら、クリスタルはレンズを遮った。
「なんなのよ、なんの説明もなしに」
クリスタルの言葉に、ああ、とシーアは手を打って。
「これはうっかり、お伝えするのを忘れていました。実は当方、まあ何でも作る店をやっているのですが。とある、戦うヒロイン大好きなお客様から依頼がありまして。あらゆるヒロインのポスターがほしいと。そしてお客様から頂いたリストの中にディアクリスタルさんの名前もありましたから」
「だから、写真に取るっていうの?うへぇ、なんていうかすっごいキモいんだけどそれ」
ものすごく嫌そうな顔をするクリスタルに、シーアは頭を下げた。
「こっちも給料かかってるんです。どうか、お願いします」
頼まれるとノートは言えない流され系ヒロインディアクリスタルのことである、シーアのお願い攻撃にあっという間に流されてしまい。
「仕方ないわね、一枚だけよ」
了承してしまったのだった。
「よかった、それでは撮りますよ。ポーズとってください」
構えられたカメラの前で、クリスタルは決めポーズを撮った。
「はーい、それではこれからの仕事もがんばってくださいね」
まだ撮り終わってもいないのに何を。
満面の笑みでポーズを取りながらそんなことを思った彼女の思考はフラッシュの光に溶けて消えていったのだった。
まばゆいフラッシュが晴れると、その場に居たはずのディアクリスタルはいなくなっていた。
ただ、彼女が立っていた場所に一枚の大きめな紙が転がっているだけだ。
「どれどれ」
シーアはそれを拾い上げて、広げてみた。
そのかみに写っていたのは、満面の笑みでポーズをとるクリスタルの姿だ。
(え、なにこれ。わたし、もしかしてポスターになった?)
シーアの頭の中に直接クリスタルの声が響いてくる。
「そうですよー、ちなみにそうやってしゃべれるのもあと少しの間だけです」
お座なりな返事を返しながら、シーアはくまなくポスターを眺める。
(ふざけないで!!今すぐここから出しなさい。私がいなくなるとこの世界は!!)
クリスタルの言葉を遮るように、シーアが言った。
「変わりません。何も変わりません。これからもあなたはいなかったものとしてこの世界は続いていくだけです」
(なぁっ!?)
冷ややかな言葉、その言葉にクリスタルは一瞬驚いたような表情をして。
(ふざけるなぁぁぁぁ!!)
叫んだ。
いきなりこんな事をしておいて、何が何も変わらないだ!!
悪虐非道な組織がはびこるこの世界で戦うヒロインが一人かけたら一体どうなることか。
よく負けるけど、けれどクリスタルにだって守りたいものはたくさんあるのだ。
彼女の怒りと願いを受けて、ポスターの中で胸のクリスタルが輝く。
(ホープクリスタル!!私の願いを)
「んー、おっぱいが小さく写ってしまいましたね。あとで盛っておきます」
問題点を見つけてしまって面倒になった、そういいたげな声色でシーアはそう言ってのけるとポスターをくるくると丸めだした。
それからポツリと。
「そうそう、えらく勇んでいましたが時間切れです」
まかれていくポスターに映るクリスタルからは、輝きを見ることが出来なかった。
くるくると無慈悲に巻かれたポスターを戻らないように留めるとかばんから取り出した筒に慎重に入れて、それをかばんに戻すのだった。
「ふー、終わった終わった。えーと、次は……アースガードか」
軽い鞄を持ち上げて、彼女は懐から取り出したリストに目をおとす。
そして気だるげに首を鳴らし、そこから姿を消したのだった。
状態変化に悶えたので初めて見ることにしました
物品化とか食品化とか、次からはいちおう別のカテゴリでやることにします。