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バスケ憑き神事変

私は背が小さい、体が小さい、手も小さい。
先輩は背が高い、体が大きい、手も大きい。
正直私には無理だと思っていたけど、でも、かっこいい先輩に憧れて、優しい先輩に憧れて、私はバスケ部にはいったのでした。
いっぱいトモダチはできたけど、まだまだバスケは難しいです。
頑張ってるけど、体格的に不利な私を先輩はよく褒めてくれます。
大きな手を私の頭において、ガシガシって頭を撫でてくれます。
私は、先輩が大好き。
私は、バスケが大好き。
いつか、先輩みたいになりたいなあ。
かっこ良くドリブルして、そしてかっこ良くダンクをきめる。
「なんて、私の身長じゃ無理だよね」
そんな妄想をしながら、一年生の私は部活が始まる前にボールの支度。
バインバイン弾むボールを沢山取り出して、空気の抜けたボールには空気を入れる。
それが私の仕事なのです。
そしてボールは汚れを落とすように磨いて……
だって、ボールは友達って先輩も言ってましたから。
「デモ、ソレダケデイイノ?」
「……え?」
唐突に聞こえた声に振り向いても、誰もいません。
でもこれは、聞こえたと言うよりは頭の中で響いているような。
「フフフ、アナタハ私ヲよく磨イテクレルカラ好キナノ」
ふと視線を落とせば、私が磨いているボールが淡く光を放っていました。
暖かく、柔らかい光、そしてボールの表面に勾玉が浮かび上がって……
驚くまもなく、ボールは溶けて私の体に混ざりこみました。
「あっ……」
体が熱くなって、そして頭がぼうっとしてきます。
周囲に転がっていたボールが私に引き寄せられるように集まってきてどろりと溶けて私と混ざり合っていきます。
そしてそれが、キモチヨクテ。
私のカラダは、ボールがアツマッテ。
手が、大キク。
カワって、イく……
私じゃなイケド、私のカラダデ。
私はボールで、ボールガトモダチで?
トモダチはワタシデ、私は……
あレ、私、ナンだっけ?
「ソウダ、部活のジュンビ……先輩ニ……」
そう、私はバスケをシないとイケないカラ。
まだ火照ったカラダで、倉庫のソトニデます。
体育館ニハ、もう部活生達が集まっていました。
でもでも、誰もみんなジュンビがデキテイないのです。
「ダメダヨ、みんなトモダチなんだから」
大きくなった手で、みんなをぎゅぎゅっと握ります。
まあるくまあるく、丸くて大きなボールになるように。
二人組でストレッチしている娘は二人で一つの大きなボール。
グループでわいわいしている娘達はみんなでまとめて重いボール。
コロコロコロコロ転がる、可愛い私の友達たちで体育館はいっぱいになりました。
「な、なにこれ……」
「ア、センパイ♪」
私のダイスキナせんぱい。
「何よあなた……来ないで……っ」
今日はランニングカラですか?
フフフ、でもでも、ストレッチがまだですよ先輩。
足をつったら大変です。
だから私は大きな手で先輩を優しく捕まえて頭を優しくガシガシって撫でます。
ガシガシぎゅっぎゅと撫でて先輩を優しくストレッチ。
引き締まった先輩にふさわしいように、最後はぎゅぎゅっと力を込めて硬くて小さな先輩にしちゃいました。
「う、そ……こんなの……夢、よ」
先輩は悲しそうな顔をシます、そんな顔を見ると私も悲しくなります。
だから私は、先輩とバスケをすることにしました。
大好きなバスケで、先輩はきっと機嫌が良くなります。
地面に叩きつけると、固く作った先輩は大きく弾みました。
重さも大きさもぴったり、バスケ大好きな先輩はきっと大喜びです。
その状態でバインバインとなんども先輩をはねさせてドリブルします。
手が大きいから、いつもよりずっと調子がいいです。
「あひっ、や、やめへっ。わらひ、キモチヨクテ、おかしくなるっ」
うん、やっぱり喜んでくれた。
嬉しくなった私はドリブルのままゴールしたまでいって背を伸ばしてダンクシュート。
「んはぁぁぁぁぁ♥」
先輩はとっても喜んでくれました。
私も始めてのダンクに大喜び。
何回も何回も繰り返してダンクしちゃいます。
そんなこんなで遊んでいるうちに、もう帰る時間です。
先輩ももうすっごい喜んで、ずっと嬉しそうな声をあげています。
体育館に散らばったボール、トモダチを私のカラダにしっかりと片付けて今日はもうおしまい。
明日は、何をしようかな。
ね、先輩?

シティ・クロニクル

世界一の都市だと、人は言う。
いや、それこそが都市であり都会であると。
それ以外は、都市ではないとすら言うのだ。
だから、その都市はただ都市とだけ呼ばれる。
シティ、とだけ。



シティで手に入らないものはない。
金も名誉も、おそらく考えうるすべてを、シティは与えてくれる。
おそらくきっと全てはそこにあるから、それ故に上を見ればキリがない。
男は果てしなく空へと伸びるような錯覚を覚える摩天楼を見上げて、すぐに視線を落とした。
広々とした室内は、やや成金趣味な調度品で彩られている。
見るからに高そうな壺や絵画などが並び、金で彩られた細工がいたるところに顔をのぞかせているのだ。
買いあさった高級銘柄のワインを傾け、男は柔らかいソファに重たいその身を沈めた。
自分が金持ちであるかと聞かれたら、もちろんイエスと答える。
そこらの国なら、国有数のと言ってもいいほどに、男は金と権力を手にしていた。
しかし……
男は煙臭いため息を吐いた。
そして、ゆっくりと天井を見上げる。
このビルにもまだ、ずっとずっと上の階が存在する。
金も権力も、あると思っていた。
しかしここにおいて、男のもっているそれらはちっぽけなものに過ぎず。
上にはずっと、上が存在するのだ。
ゴクリ、とワインを飲み干す。
ワインの味などわからない。
ただそれが、有名であったというだけで買って、飲んでいる。
決してたどり着くことのできぬ領域が、彼の上には広がっていて。
そこに手が届くはずもないと知りながら、彼はただ手を伸ばした。
何をつかむこともなく、それは二度三度と宙を掻いて、落ちる。
ため息をひとつ、ゆっくりと吐いた男は気だるげにリモコンを手に取った。
壁一面に埋め込まれ映像素子が反応し、映像を映し出す。
夜も遅いということもあって、チャンネルをどれだけ回しても目ぼしい番組はみつからない。
ようやく手を止めたのは、とあるニュース番組だ。
一日の出来事を流しで伝えるその番組が写す多くは、女性の姿だった。
誰も彼もが派手な衣装に身を包んでいる。
聞こえてくるのは、そんな彼女たちが行った武勇伝だ。
龍虎が悪徳議員を捕まえただの、狼が少年を助けただの、そんな話が耳に飛び込んでくる。
男はその光景を、様々な感情を込めて眺めた。
何かといえば、劣情の分が多めなようではあるが。
それも致し方ないことではあるかもしれない、画面に映る女性たちは誰も彼もが絶世とでも言っていいほどの美女なのだから。
巨大都市、シティ。
華やかできらびやかで、世界のすべてがそこにある。
それ故、そこには数えきれないほどの闇が内包されているのだ。
一括りにして、悪。
世界で最も華やかな都市は、世界で最も恐ろしい都市でもあった。
だから、というわけでもないのだろうが。
この都市では、多くの異能者が生まれるのだそうだ。
原因もわからない、ただ事実だけがそこにある。
果たしてその力をいかなるベクトルに使うのか、その方向性こそが、そこに住まう人々からの評価を分ける。
それこそが善と悪であり、このシティにおいて激しくぶつかり合う力に他ならない。
幾数多の悪の組織、そしてたくさんの正義の組織が日夜戦っているのだ。
テレビに写っているのは、そんな正義の組織のヒロインだ。
どこか色欲を煽るような格好をしている彼女たちの姿に、思わず息子が鎌首をもたげてしまう。
いやらしく舌なめずりをした男は、その姿が消えるまで画面を凝視していた。



男の寝室は、意外なほどに小奇麗としていた。
他の部屋にあったような悪趣味な調度品はなく、ただベッドと、幾つかの本棚がそこにあるだけだ。
まるで、その男の部屋ではないかのような。
それもそうだろう、なんせその部屋は実際に彼の寝室ではなかったのだから。
酒気か、あるいは興奮か、頬を赤らめた男はその部屋に入ると本棚の前にたった。
定められた順に本を動かすと、音もなく本棚が動きその後ろに隠されていた扉が顕になる。
男は卑下な笑みを浮かべ、その中へと足を踏み入れる。
その中はまた、他の部屋と雰囲気がかけ離れていた。
寝室とは到底思えないほどに明るい電灯が部屋中を真っ白く輝かせていたのだ。
そして、くぐもった低い音が重なりあうように響いていた。
部屋の中央には大きなベッドがひとつ。
男はそのベッドに腰掛けると、満足そうな笑みを浮かべて周囲を見回した。
周囲、その部屋を構成する壁を。
その壁は、なんとも悪趣味なものであった。
壁一面につき、およそ三つの彫像が、そこには存在していたのだ。
そのどれもが卑猥な格好をしていて……そして、そのどれもが呼吸を行なっていた。
一瞬だけそれを見れば、壁に掘られた彫像だと思うかもしれない。
けれど、それをじっくりと見ればそうでないことがわかる。
薄い半透明の壁、あるいはゴムとでもいったほうがいいのだろうか。
弾力のあるその壁に挟み込まれた、人なのだ。
胸が動く、目が動く、呼吸も聞こえる。
どんな精巧な人形にだってありえないそれらの動きが、その事実を教えている。
そう、そこは囚われの人間たちで作られた部屋なのだ。
そしてそのどれもが、先ほどのテレビに写っているような派手な格好をしているのだった。
正義のヒロイン、巷で彼女たちはそう呼ばれている。
誰も彼もが美貌にして、魅力的な体の持ち主だ。
悪を一蹴する力の持ち主ではあるが、しかし、囚われている彼女達からはその片鱗も感じ取ることはできない。
彼女たちはもはや、卑猥なオブジェに過ぎなかったのだ。
このシティで手に入らないものはない。
たとえそれが邪な欲望から出てきたものであっても。
例えば、そう、正義のヒロインを自らの物として扱いたい、というものであっても。
その対価さえ支払うことができなるなら、それは確かに叶えられるのだ。
そして男は、自らの劣情を解消するために少なくない対価を支払った。
その結果、彼は手に入れたのだ。
この空間を。
バキュームベッドに捕らえられた惨めなヒロインたちを。
ねっちりと丹念に調教を施されているヒロインたちは、反抗の意思を持つことすらできない。
ただ、思考の片隅で「助けて」という言葉を反芻しながら。
じんわりと与えられる快楽の中で、自らがもはやオブジェでしかないという事実を彼女たちはそのまま受け入れるしかないのだった。



男がベッドの傍らに置かれているコンソールを操作すると部屋に動きが起きた。
バキュームベッドの一つがその形を変えたのだ。
平面的だったその形が絞られるように円筒形に変わり、ぴっちりとあますことなく体をコーティングする。
気をつけの姿勢で強制的に直立させられた格好になったヒロインは、体の凹凸を余すところなくさらけ出しているようだ。
できの悪いマネキンのようになってしまった彼女はそのまま装置に運ばれてベッドの上に放り出された。
身じろぎ一つすることのできない彼女はそのままその上に横たわる。
今宵の彼女の役目は男のための肉枕になることだったのだ。
男に抱きつかれ、男のものを体内に咥え入れ、そしてなすすべなく扱われるだけの抱きまくら。
いやさ、オナホールといったほうがいっそ正しい。
もはや彼女は、男にとってただの肉穴にすぎないのだから。
声は出せない、ただ感覚だけが彼女にはあり、そして不快な快楽が彼女の体に伝わってくる。
たすけて。
悪に屈して、体は完全に自らのものではないこの現状で。
たすけて。
彼女たちは、心すらも失ってしまう前に。
たすけて。
ただただ、祈ることしかできない。
助けて。
願わくば、まだ自らが人間であるうちに。
そんなヒロインの、いやさ肉枕の思いなど知る由もない。
男にとってそれは、ただの性欲処理のための道具にすぎないのだから。
寝る前の、普段と何も変わることのない行為に過ぎないのだから。
それはどちらかと言えば、性交と言うよりは自慰に近しいのではあるのだろうが。
かくしてシティの日常的な夜は更けていった。




セイバーさん強制催眠

セイバーさんに強制催眠

セイバーさんを捕まえたぞ。
「く、卑怯な手を使って……恥を知りなさい。貴様がいくら卑怯な手を使おうと、私は決して屈しない」
どうしようかな。

A,強制ラブ催眠
「うっ、何だその汚らわしいものは……っはぁん♥そんなぎんぎんのラブスティック見せられたら子宮があなたをラブしてしまう。ああ、もうダメだ。目が、心か、体が、子宮が、あなたを愛してしまっている。ラブしてしまっているんだ。ああ、もう我慢できない。口で含んでもいいか?いや、今すぐ私の支給にずっぷしとラブハメして欲しい。お願いだ、知ろうなんてもうどうでもいい。はやく♥ラブを、あなたのラブをください♥」

B強制ビッチ催眠
「まさか、私にそれを処理しろとでも……マジありえないんですけどー。何このチンカスまみれのくっせーちんぽ。騎士王に向かって失礼じゃね?っつーか言われなくてもちんぽとか大好物だからしゃぶるっつーの。まじ私のテクで腰抜かすんじゃねえぞ。うっは。脳天直撃のチンカスチーズ。濃厚でまじうまいんだけど。おいおい、こんなの勿体無くて食えねえからさっさと私ンなかにぶち込んでくれよ。中出しだぜ?外に出したら承知しねえからな」



ちょろいねセイバーさん。

ケーキ屋さん事変

「んー、今日までかー」

どこか感慨深そうに、西丸桂子は周囲を見回していった。
使いなれたたくさんの器具たちが、彼女を取り囲んでいる。
ボールやヘラといった器具から、オーブンや冷蔵庫といった大型の設備まで、彼女はそれらを丹念に掃除し磨き上げた。
なぜならそれらとはもう、お別れだったのだから。

「悔しくないってわけじゃないさ」

小さい頃、彼女には夢があった。
誰もが見たことのあるような、そんな夢だ。
ケーキ屋さんになりたいと、子供の時からずっとそう思っていた。
その夢は色褪せることなく、今この年になるまでずっと続いたのだ。
そのために勉強し、修行し、そして彼女は遂に念願の店を持った。
商店街の一角に、小さな可愛らしい店を。
長年鍛え上げたケーキ作りの腕前は抜群でそこそこの人気にはなっていたのだ。
値段もお手頃で、帰宅途中の学生やOLからの人気も高かった。
競合店ができるまでは。
ほとんど向かいに位置するところに、一件の店ができた。
最近はやりのスイーツショップだ。
きらびやかな外見、ポップで若者に人気のあるチェーン店。
始めの頃は、しっかりと客の取り分けができていたのに。
気づけば、常連たちを含めた殆どの客をそちらに取られていたのだ。
負けたくないとおもって、たくさんの商品を考えた。
宣伝だってした。
けれど、気がつけば、誰もいなくなっていた。
丹精こめて丁寧に創り上げた自分のケーキが、工場で作られるようなケーキに劣っているだなんて思わなかった。
実際に食べ比べてみて、そう確信だってした。
しかし、目の前にあるのが現実で、それは非情だったのだ。
いつの間にやら減っていった資産は、これ以上の店の経営を許さなかった。
彼女は無念の内に、店を閉じなければならなかったのだ。
磨き上げた彼女の店、愛した道具たちに囲まれて、彼女は悔しそうに歯を食いしばった。
この結果に、不満がないはずがないのだ。

「もっといっぱい、ケーキ作りたかったな。オイシイ、誰にも負けないケーキを」

その言葉に込められていた感情は強く、深いものだった。
だからだろう、おそらくその感情が呼び寄せてしまったのだ。
魔を。

「え、何?」

桂子が声を上げる。
始め地震が起きたのかと思った。
視界が、世界が大きく揺れたのだ。
しかし、そうでないことに気がついた。
歪んで世界が、いや彼女の世界であったケーキ屋がまるで迫るように彼女へとドンドン集められていくのだ。
空間そのものがねじ曲げられている、そういった方がおそらく正しい。
その中心に彼女はいて、逃げることもできないまま彼女は自らの愛した店に押しつぶされた。
おそらくはそれこそが、彼女に愛された店のお返しだったのだろう。
魔力に満たされたその空間の中で、彼女たちは溶け合った。
腕が体が形を失い、愛用していた器具や設備と混ざり合っていく。

「私は、ケーキ屋さん。皆に、美味しいケーキを食べて欲しくて」

ケーキを作る、ただそれだけのために使われてきた器具たちの意思が、どろりと溶け合った彼女に混ざり込んでいった。
ぐにょりぐにょリと不定形な塊になった彼女の体が、徐々に最構成されていく。
顔が現れる、胴体が現れる。
それらはどこまでも彼女の姿をとってはいたが、そこから生えた手は一対でなく。
必要な道具をすべて手に持っているかのような多腕。
腕の先には彼女が愛用していた器具が付いている。
続いて下半身。
人型でなく、大きな箱状になっているそれは数えきれないケーキを焼き上げたオーブンだ。
前とは違う、どこか淫靡な笑みを浮かべた彼女は。

「ワタシハ、ケーキ屋サン。皆ヲ、美味シイケーキニシタクテ」

生まれ変わった新たなケーキ屋の開店を告げた。



「こんにちわー」

閉店間際、人の少ない店の戸を叩いたのは、珍しく常連になってくれた女子高生たちだ。

「いらっしゃい」

ニコニコとしたいつもの笑顔で彼女たちを出迎えた桂子に、彼女たちは次々に頭を下げる。

「閉まっちゃうんだってね」

「すきだったのになー」

「また、どこかでケーキを作ってください」

いかにもお別れを言いに来たという雰囲気の彼女たちに、桂子改めケーキ屋憑き神は妖しく微笑みかけた。

「あら、勘違いしているみたいね?今日は新しい開店記念日よ」

そのセリフに彼女たちは顔を見合わせて、一様に喜んだような表情を見せた。

「本当ですか!!」

「もちろん。これまでよりも。もっと、モット美味シイケーキヲ作るヨ!!」

そういって一番近くに居た小柄な少女をヒョイッと捕まえると、上からのし棒でグイグイとその体を薄く伸ばしていく。
驚いた表情のまま薄く伸ばされた彼女を丸めてゴクリと飲み込むと同時、下半身のオーブンが赤くなって熱を持ち始めた。
そこにポトポトと落ちてきたのは、サイズが小さくなった先ほどの少女をかたどった生地だ。
いくつも綺麗に並んだそれをしっかり焼きあげるように、オーブンが唸りを上げる。
すぐに甘い香ばしい匂いが立ち込め、オーブンが止まる音がした。

「マズハコレデモ食ベテ」

そう言ってそこから取り出されたのは、少女の姿をしたクッキーだ。
食欲をそそる甘い匂いに誘われて、女生徒達は今の今まで友人だった少女を美味しい美味しいといって食べてしまう。

「ソレジャ次ハケーキダ」

憑き神はそう言って、右手ついているスポンジを焼くための型枠を取り出し、それで生徒を一人捕まえる。
台の上において上からぎゅっと抑えつければ、少女の体は見る間に小さく圧縮されていき、やがて型枠にきっちりハマるまでになってしまった。
驚いたように目をぱちくりとさせる少女をオーブンに放り込んで、新た少女へと手を伸ばした。
豊満な肉付きの少女を絞り器の袋で覆うように捉えたのだ。
袋の中で少女の体はとろけ、形を変え液体と固体の中間のような固さで落ち着いた。
丁度その時に焼きあがったスポンジを取り出し、それをナイフで上下に切り分ける。
二つにわかれたスポンジを両手に持って、はさみ込むように近くにいた少女を潰すと、少女はスライスされたいちごに姿を変えていた。
そこに絞り器からたっぷりのクリームをまぶしていく。
ヘラで丁寧に形をと問えながら全体にクリームをまぶせば、出来上がるのは真っ白い雪原のようなショートケーキだ。
搾り出すクリームで飾り付けを施し、そして最後に残った生徒を手招きした。
ふらふらと憑き神に近寄った少女は、絞り器からありったけのクリームをまぶされた。
クリームまみれになった少女の体は徐々に固まりながら縮んでいき。
そしてついに、ことりと音を立てて砂糖でできた人形飾りとなって地面に落ちたのだ。
それをつまみ上げてケーキの上にのせると。

「新ケーキ一号完成!!」

ついにケーキが完成した。
見た目も美しいそのケーキの出来に、憑き神は満足気にうなずいて。
カッターを取り出して売りやすいように等分に切り分けていく。
切り分けてショーケースに並べると、その一つを取り出して。
大きく口を開けてぺろりと食べてしまう。

「うーん、味の調和が美味しい。皆仲良かったんだねぇ」

その出来に満足して、彼女は顔をほころばせるのだった。



なくなるはずだったケーキ屋さん。
それがあってはならない形で蘇ったのを知るものは、まだだれもいないのだった。

フードコートにご用心

フードコート、それはちょっとした休憩に最適な憩いの場。
お腹も満たしてくれるし、少しくつろいでいくのもいいだろう。
ショッピングモールでの買い物につかれたとある姉妹も、休憩のためにそこを訪れた。
奇しくも昼時、小腹のすくタイミングである。

「お姉ちゃんお腹すいた」

「そうねぇ、ご飯にしましょうか」

妹の提案に頷き、適当な席を見つけて座る。
周囲を見回せばたくさんのファーストフード店が並んでいた。
どれもこれも人気なようで、たくさんの人だかりができている。

「どれも美味しそう」

「お姉ちゃんは、うどんにしようかな」

「それじゃ、私はラーメン!!」

それぞれ食べたいものの目星をつけると、麺類と書かれた看板の行列に並ぶ。

「列の消化も早いし、すぐに食べれそうね」

行列は大分長めではあったのだが、結構な速度で進んでいくためそれほど時間は掛かりそうにない。

「あら、もう順番来ちゃった」

なんてお思っている間にも彼女たちの順番になった。

「ゴチュウモンハ?」

彼女たちの前に姿を現したのは、ローラーの付いた機械を組み合わせて強引に人型をとらせたようなそんな何かだった。
どう見ても人間ではありえないその姿にしかし、二人は驚いた表情も見せない。
それどころか普通に質問に答えてしまっていたのだ。

「はいはーい。私ラーメン」

先に手を上げたのは妹だ。
それに頷いた製麺機憑き神は、目の前にある台に妹を押し倒した。
そして粉をばっとまぶしてから右手ののし棒で力強く、なるべく薄く伸ばし始めたのだ。
ごろごろとのし棒が数度往復すれば、妹は見事に薄くなってしまっていた。
憑き神はそれをくるくると丸めると、大きく口を開けて人のみにしてしまう。
そうすると、胴体を形成する大きなローラーが動き出した。
そこからウニョンと出てきたのは、綺麗に切りそろえられた中華麺だ。
色合いといい、どこか妹を思わせる。

「ラーメンイッチョウ!!」

それを小さなザルに入れると、隣にいるラーメン憑き神目掛けてその麺を放り投げてしまう。
それをあらあらと見送った姉は。

「私、ウドンだけど大丈夫かしら?あの子みたいにスレンダーじゃないし」

確かに姉のボディラインは非常に起伏にとんでいる。

「ソレクライノホウガこしガデルヨ」

そんな心配はいらないという憑き神の言葉にぱっと表情を明るくして。

「それじゃ、よろしくおねがいしますね」

台に自ら横になった。
それにばっと粉をまぶした憑き神はまずは両手で豊満を主張する胸をゆっくりとこね回し始めた。
力を込めて押しつぶすように、かと思えばやさしく形を整えるように。
コシのあるうどんを作るために。
粉の魔力で柔らかくなってしまっていた姉の体は徐々にその形を失っていき、丸い生地に変わっていく。

「オシリモイイダンリョク!!」

胸に続いて形の良い尻をこね回す。
同じ要領で力を込めて。
そしてやがて完全な塊となった姉に、いよいよのし棒を取り出した。
それで押しつぶすように力を込めて伸ばしていき、やがて薄い生地になってしまう。

「あ……わたし、美味しいくなります?」

まだ残っていた姉の意思の最後の言葉に。

「イイコシのウドンになるね」

憑き神はうなずいて、それをくるくると丸め上げた。
そして大きく口を開けて一のみ。
次の瞬間には製麺機のローラーが周り、綺麗に切られたうどん麺が出てくる。
コシの強いその麺をざるに上げると。

「ウドンイッチョウ!!」

そのざるを隣にいたうどん憑き神に渡すのだった。

さっと湯がかれて汁につけられた二人は、フードコートにやってきていたお客さんに美味しくいただかれましたとさ。
プロフィール

ヤドカリ

Author:ヤドカリ
基本的に要らんことをつらつらと書いてます
エロとか変脳とか悪堕ちとか

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