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真珠貝怪人VSディアクリスタル

「お前だな!!最近大量の真珠人形を世に流しているのは!!」

ディアクリスタルは突き止めた工場の奥で発見した怪人に向かって指を突きつけた。
工場の奥にあった巨大な貝、それこそが怪人だったのだ。
貝がひらくと、その中は艶めかしい肉がうねる空間になっていて、その中央に真珠の輝きを放つ女性が立っていた。

「あら、よくここまでたどり着きましたわね」

「悪を倒せという人々の願いが、私をここへ導いたのさ!!お前も、クリスタルの輝きの前に倒れてしまえ!!先手必勝、クリスタルクラッシュ!!」

「まあ、野蛮ですこと。ですが、私の殻をそんなガラス片で破れるだなんて思わないで欲しいですわね」

「な!?クリスタルクラッシュが、貝殻に阻まれた!?」

「だから、言ったでしょう?あなたごときではこの殻を破ることはできないと。それではごきげんよう。私はあなたを相手にしているほど暇ではないの」

「殻が、閉じる!?逃げるつもりだな!?遠距離攻撃は、あの殻に弾かれてしまう。こうなったら、一か八かあの殻の中に……とうっ!!……どうにか間に合った、どうだ怪人!!自分から逃げ場を亡くした気分は。うねうねしていて気持ち悪いけど、貝殻もないから攻撃も防げまい!!」

「うふふ、飛んで火に入る夏の虫と言ったところですわね。あなたがここに、おびき寄せれたのですよ。ようこそ、私の中へ」

艶やかに怪人が笑うと、周囲でうねうねとうごめく肉の至る所からじわりと真珠色の液体がしみ出し、クリスタルに襲いかかる。

「うわ、何だこの。とろっとして、ドロッとしているこの液体は……嫌な予感がする。体が動く今のうちにやるしかない!!くらえ、必殺クリスタルナックル!!」

必殺の威力を載せたクリスタルナックルはしかし、うねる足元と体にまとわりつく液体によってその威力を十分に発揮することができなかった。
悪を粉砕するはずの拳はしかし、怪人のつややかな手のひらに受け止められてしまうのだった。

「正確に似て、角張った装甲ですこと。私が綺麗に丸めて差し上げますわ」

言うやいなや怪人はディアクリスタルに抱きつき、己の体をこすりつけ始めた。

「うわっぷ、やめろォ。ヌルヌルして、すべすべで……気持ち悪いけど気持ちいい!?」

「うふふ、私の真珠液であなたをピッカピカに磨いて差し上げます」

「むにゅ、ふわぁ♥全身が、ピカピカに輝いてきた……クリスタルの角も、取れちゃって……あふ。だめ、クリスタルが、力を失っていく♥」

「そうですわ、あなたのクリスタルはすべて私の真珠液によってパールになるのです」

「クリスタルが、パールに?」

「そう、この貝殻は私の子宮も同意。あなたは私の中で、新たに生まれ変わるのです。ディアパールとして」

「……はい♥お母様」

怪人はいとおしそうにクリスタルの体を抱いた。
全身つややかな真珠色になってしまったクリスタルの全身は真珠の輝きを見せている。

「さあ、生まれ変わりなさい。ディアパール」

「んぷ、キス。お母様のパールキス♥体の中に温かい真珠エキスが流れこんでくる♥あなたの願いを受けて。ホープクリスタル最後の輝き♥クリスタルはパールになっちゃいます♥」

「いい子ですわ」

次に貝殻が開いたとき、怪人の足元に跪くディアクリスタル、いやディアパールの姿がそこにはあった。

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